NatureやScienceに自分の論文を掲載させたいですか?
この記事では、Nature方式のキャプションを書くために1番重要な点を説明しました。
トップジャーナルの論文を書きたい方、必読です!
この記事では、キャプションの書き方のみにフォーカスしました。論文のタイトル, 序論, カバーレター...といった、他の部分の書き方について網羅的に知りたい人は、まとめ記事 [論文の書き方: インパクトの作り方, 序論から結論まで, 全部!]を参考にしてください。
キャプションの書き方は、意識して訓練しないと大間違いします。なぜなら、学生時代に教わるレポートのキャプションの書き方は、トップジャーナルにおいて極めて悪いキャプションだからです。
Nature式のキャプションは、まず最初に分かったこと(グラフで1番言いたいこと)を書き、それに続く文章はその言いたいことをサポートするための文章で、これだけは言っておかねばならない事を言い終わった瞬間にキャプションが終わるように書きます。
ちなみに一方で、学生のレポート構文では、横軸と縦軸は何で、どんなプロットなのか説明し、その後に考察を初めて、結論を書きます。つまり最初の文からだけでは何をしたのか想像できず、最後までキャプションを読み終わった時に初めて言いたいことが分かります。何が言いたいか分かるまで時間がかかる文章なので、完成度が極めて低いキャプションといえます。
キャプションについて、私がNature Communicationsのエディターから受け取った文章をご覧ください。
Figure legends should begin with a brief title for the whole figure as the first sentence, then continue with a caption containing a short description of each panel and the symbols used. Please provide the missing title/caption for the figure.
さすがよく説明できていると感心しました。要は、最初に簡潔にグラフをまとめるタイトルを書く。続いて、図の説明を短く書く、と言っています。
つまり、キャプションは言いたい事を最初に書き、最後にもう1度書く言いたい事はより厳密に(より具体的に)書けばいいのです。これの考えのもと、次のキャプションを試しに修正してみましょう。
何をやったのか書かないと、何が分かったのか書けません。このため「何をやったのか」をゼロにはできません。しかし、できるだけ少なくしてみます。以下の修正では「何をやったか」をできるだけ少なくしました。
以下では、もう一度手直ししました。さらにNatureっぽいフォントにしたので、カッコ良くもなりました。これで「学生のレポート」のようなキャプションからずいぶん改善され、「Natureスタイル」に生まれ変わりました。次の2つを比較して、どうですか!? 同じ結果を説明してるとは思えないほど違うと思いませんか?「学生のレポート」構文では最初の文からだけでは何をしたのか想像できず、最後までキャプションを読み終わった時に初めて言いたいことが分かります。一方で、「Natureスタイル」構文では言いたいことがすぐ分かり、その後の内容が何となく想像しながら読めるのでより安心して読めます。
キャプションでは、まず最初に分かったこと(1番言いたいこと)を書き、それに続く分は言いたいことをサポートするための文章で、これだけは言っておかねばならない事を言い終わった瞬間にキャプションが終わるのです。
これからもいい論文をたくさん書いていきましょう!
Good Luck!!
・論文を書きたいですか? この記事では、キャプションの書き方のみにフォーカスしました。論文のタイトル, 序論, カバーレター...といった、他の部分の書き方について網羅的に知りたい人は、まとめ記事 [論文の書き方: インパクトの作り方, 序論から結論まで, 全部!]を参考にしてください。
・論文についてあまり勉強していなくても、テンプレさえあれば割と形になります。論文の書き方について、効率的に知りたい方はこの記事を参考にしてもらいたいです。[論文のテンプレがどうして超重要なのか?]
本の宣伝: 科学技術の基礎の全てをカバーしながら、その応用についても紹介してあり、しかも1年くらいで全部読み終えられるちょうどいい本はないだろうかと長年思っていた。東京大学を首席で卒業し、Nature Communicationsに論文が採択され、アメリカ空軍研究所と共同研究した経歴があり、さらに大型コンピュータの研究開発に携わるなど、様々な国や機関で活躍してきた著者が書いた「科学技術の全般を理解できる本」発売中!