Nature, Scienceといったトップジャーナルでも通用する図(figure)の書き方を知りたいですか?
この記事ではトップジャーナルでも通用する図 (Figure)を作成するためのソフトを紹介しました。
このソフト、なんとフリーです。しかもMacOS, Windows, LinuxOSで使えます。
トップジャーナルの論文を書きたい人、必読の内容です
ちなみに、図を書くコツは別の記事で解説してありますので、この記事を見て下さい。
高インパクト論文のFigureの書き方
高インパクトの論文誌は、ベクトルデータの図を要求します。ベクトルデータはjpegやpngのようなイメージデータとは異なり、関数として図を保存するデータ形式で、いくら拡大しても滑らかな曲線になるので読者が見やすい図になります。
高インパクトファクターの論文がしばしばベクトルデータを求める理由は、
(1)ベクトルデータだと図を拡大しても曲線が滑らかだから、読者が注目したい部分を明確に認識できる点と、
(2)高いインパクトファクターの論文誌は自分のフォントを持っていることが多く、ベクトルデータだと編集者(エディター)が文字フォントを論文誌のホームスタイルのフォントに修正できるからです。
これら(1)(2)を満たす論文執筆用のソフトとして、私が1番オススメするのはinkscapeです。インストールから、図を書いて、ベクトルデータとして保存するまで、合計10分とかからないのでサッと勉強して、インストールしておきましょう。
inkscapeはフリーのソフトで、以下のリンクがダウンロードできるサイトです。
inkscapeは誕生から20年以上の歴史があるソフトなので、いま覚えれば今後長い間使えるでしょう。
inkscapeのwebサイト
https://inkscape.org
ちなみにincscapeの代わりに使えるソフトとして、Illustratorや
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator/free-trial-download.html
Affinity Designerなど
https://affinity.serif.com/ja-jp/designer/
が同様の機能があり、しかも高性能で有名です。しかしそれらは有料です。論文の図を書くだけならinkscapeで十分だと思います。
ほんの少しだけ使い方を説明します。しばらくはこれだけ知っていれば十分です。
(1) 線を書くアイコンをクリック
(2) キャンバスの内部に、書きたい形状の点をクリック
(3) Enterで完成
(1) アイコンを選択
(2) 色を塗るアイコンをクリック
(3) 色を選択
(1) テキストを書くボタンをクリック
(2) 書きたい場所をクリック、文字を入力
ここが一番重要です!!
「名前をつけて保存」でsvg形式で保存します。 (svgはベクトルデータのファイル形式です)
以上です。簡単ですよね。これだけでベクトルデータの図が書けます。
Power Pointでもいいじゃないかとよく言われますが、私はPower pointをオススメしません。もちろんPower pointで書いた図でも採択される可能性はあります。しかし、エディタやレビューワからの印象は良くないからです。
例えば明らかにエクセルで書いたグラフの原稿を見たら、あなたはどう思いますか?グラフの見た目は重要でなくデータの内容が重要なのだと分かりつつも、「解析の技術が低いのではないか」「時間をかけて丁寧に解析していないのではないか」と少し疑わしく思ってしまいませんまか?それと似たようなものです。タダなので解像度の高い図を書いて投稿しましょう。トップジャーナルの採択率は5-7%程度です。研究者のトップ5-7%じゃありません。自分はNatureに相応しいと思っている人たちの中からトップの5-7%です。この激烈な競争の中で研究者は争っていることを理解して下さい。少しでもいい論文にしたいという感覚を持ってもらいたいんです。
しかもレビューワはあくまで論文の考察内容が悪いからという体で原稿をリジェクトします。このため図がダメいといった、科学っぽくないリジェクト理由を著者には伝えません。
にも関わらず、図やグラフは論文の成果を一発で表す非常に重要な部分です。つまり汚い図を書いていると、なぜ自分がリジェクトされているのか知ることなしに、一生リジェクトされ続けるわけです (それはちょっと言い過ぎかも知れませんけど...)。
inkscapeはベクトルデータで図を保存できるので、拡大しても滑らかで見やすいため、高インパクトファクタの論文誌で使われるファイル形式です。
つまりinkscapeはNature, Scienceといったトップジャーナルにも通用する図の描画ソフトです。全員使うべきです。
論文を投稿するときはjpegやpngの形式で投稿するように指示を出してくる高インパクトファクターの論文誌があります。このときはsvgからできるだけ大きな画素数のjepgファイルを作るなどして、データサイズが許す範囲内でできるだけ高分解の図を投稿して下さい。
高インパクトファクターでは、図の見やすさからベクトルデータを求められます。
ベクトルデータの図を書けるソフトとしてinkscapeを1番にオススメします。(MacOS, Windows, Linuxで使え、フリーで、長い歴史を持つからです)
線を書き、色を塗り、svgデータで保存するだけです。本っ当に簡単です。
論文において図は成果を一発で見せる重要な部分です。実はリジェクトの原因になっています。inkscape、使いましょう!
研究成果が出ない。自分には才能がないなんて思っていませんか?私は自信を持って言います。それはあなたのせいじゃありません。才能がないのではなく、ただ教わっていないだけです。私はあなたの助けになりたい。私はこのwebサイトを通じてあなたに触れたい。あなたが成果を出して喜ぶ、それこそが私の喜びです。これからもいい記事を書いて、あなたに満足する成果を出してもらいたい。今後もこのwebサイトをもよろしくお願いします。
・次はinkscapeを使ってどんなFigure(図)を書けばいいのか理解しましょう。ぜひこの記事を見て下さい。
高インパクト論文のFigureの書き方
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]