私が圧倒的にオススメする学会を紹介します。それはGordon Research Conferenceです。
ホームページを見てみてください[Gordon Research Conferenceのホームページ]、[Find a Conference]を見てみると分野が無数にあります。あなたの研究分野もこの中にあるはずです。
国際的な活躍をしたい方はぜひ参加です。紹介します。
Gordon Research Conferenceは普通の学会と全然違います。
まずGordon research Conferenceは、バスで2,3時間くらいの僻地の大学に全員が集合します。宿泊場所はその大学の寮であることが多いです。ホテルは自分で決められません。学会は7日間開催されます。食事はすべて学会側が支給します。しかも最寄りの駅まで自動車で1時間くらいかかる場所が多いです。
要は全員1週間も軟禁されるわけです。学会は朝9時から17時まで口頭発表で、18時から22時までポスター発表であることが多いです。
以上がこの学会の特徴なのですが、するとこんないいことがあります。
参加者の全員が1週間ずっと会場の大学にいます。このため夜に開催されるポスター会場でウロウロしているので、簡単にトップ研究者に話しかけられます。
また、学会会場の様々なところにテーブルが置いてあり、すぐにミーティングができるので、アドバイスがすぐにもらえます。
ちなみに私はここでペンシルベニア大学の先生と知り合い、のちにこの先生に雇われてペンシルベニア大学で研究員になりました。
他にもカバーレターの作成に役立ちます。ポスター発表でいろいろな先生と話すわけですが、この時に良い先生と嫌な先生(必要以上に批判的に研究を見ている人)を知ることができます。これらの名前は必ずメモしておいて、カバーレターのレビュー候補のリスト作りに役立てます。
アイビーリーグの先生でも全知全能ではありません。知らないことだってあります。普通の学会なら、知らない事にぶつかるとそこでミーティングは終わりです。しかしGordon Research Conferenceでは別の先生も捕まります。要は別の先生が知っていそうならその先生を呼んで3人のミーティングを始められます。議論があり得ないスピードで進むのです。
じゃあそのまま論文を書こうかとなり、このミーティングに参加したメンバーですぐに書き始められます。論文を共同で書く仲間がすぐに決まるのも素晴らしいです。
ちなみに私のNature Communications論文のAcknowledgeを見てみて下さい。本当にたくさんの人がのっているますが、多くはGordonで知り合ってアドバイスをもらった人たちです。
Takaaki Sato,et.al."Ultrahigh Strength and Shear-Assisted Separation of Sliding Nanocontacts Studied in situ" Nature Communications, 13, 2551 (2022)
私はこういったミーティング参加したことがないのですが、よく研究費の話もしています。プロジェクトを始めるためにどのメンバーで研究するかここで決まっていると思います。
すごく偉そうな人が5人くらい集まって何かを決めているのもよくよく見ます(何を決めているんだろう)
研究者としてファーストクラスに登りつめるには、Gordon Research Conferenceで存在感を出さないとダメです。
日本では、同じ大学だったり身内でプロジェクトを動かすことが良いとされています。しかしこれには決定的な欠陥があります。
まず、研究できない人が絶対にメンバーに含まれてしまうことです。Natureシリーズが書ける研究者にとってはインパクトレスな仕事を持ち込まれてしまい、競争力が維持できなくなります。
また、自分に経験がないのに、誰かがやらないといけないからという理由でやらされることになるのも欠陥です。明らかに成果が出るまでのスピードが遅いです。
インパクトの観点からもスピードの観点から、今すぐできる人が手をあげて優秀な人同士で集まって仕事をする国際共同研究の仕組みは、世界に先駆けた研究成果を出すうえで有効な手段です。
Gordon Research Conferenceはアルコールを飲まなくてもいいのも最高です。
よくある学会だと日本の先生が集まってお酒を飲んで、親睦を深めるのが大きな目的です。そして次のプロジェクトは誰を採択しようかと談合めいた話をします。科学の話なんてまずしません。日本の研究者は世界的に見たら明らかに3流なのに、3流同士で仲良しグループを作ってる場合なんでしょうか。
こうゆう人たちを出し抜いて、研究者として研究を進めたい人はぜひGordon Research Conferenceです。
最後に悪いところも紹介しておきます。まず、口頭発表やポスター発表をしても業績リストに書けません。参加しても業績にはならないです。また、宿泊先は学生寮っぽいところなのでゴージャスな滞在は期待できません。あと、学会で発表された内容は秘密で、写真に撮ったりできません。
全ての人はNatureが書けます。私は論文を書く技術を教えます。しかし具体的な研究内容までは指導できません。なのでアイビーリーグなどのトップ大学の先生にアピールし一緒に研究するのをおすすめします!
1週間 軟禁されて、いろいろな人に話せます。
3人以上と話せるのでありえないスピードで研究が進みます。
カバーレターで書くレビューワのリストが作れる様になります。
Gordon Research Conferenceから始めてみてはどうでしょう?もっと活躍したい人もGordon Research Conferenceをオススメします。
・もう一度Gordon Research Conferenceのリンクを貼っておきます。たぶん、あなたの所属する分野のConferenceもあります。みんなで軟禁されましょうよ!
Gordon Research Conferenceのホームページ
・Nature系などのトップジャーナルの書き方を記事にまとめました。研究者として世界的に活躍したい方、この記事を見て下さい。多くの記事の要点をいっきに見れます。
論文の書き方: Nature, Science, Cellへの道
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]