どの論文誌に投稿するか決めるため、絶対にやらなくてはならないことは何だと思いますか?
それは、論文誌の「スコープ」を知ることです。
スコープとは、その論文誌が目指している論文のことです。
どんなに素晴らしい論文であっても、スコープに合っていなければ採択されることはありません。
論文誌のスコープは簡単に確認できます。
例えばnatureの場合なら「nature aims scope」「nature scope of the journal」をgoogle検索して下さい。
今回は例として、ultramicroscopyという論文誌を見てみましょう。「ultramicroscopy aims scope」と検索すると、簡単にAbout the journalの記述を発見できます。[このサイト(ultramicroscopyのAbout the journal)]に辿り着けます。
Ultramicroscopyの例でまず確認できるのは、スコープの内容が自分の研究に合っているかです。
この論文誌のスコープはとても明確です。ありがたいことにサイトにはキーワードが出されていて, (1)Electron Microscopy, (2)Instrumentation, (3)Method development, (4)Imaging and scattering theory, (5)Computational methods, (6)Image processing and analysisと出てきました。
こうしたキーワードを確認して自分の結果に合うか確認するわけです。
合っていないと感じたら別の論文誌に投稿しましょう。
次に確認するのは、エディターが推奨している論文を見ます。
例えば、editors choiceとかMost popularのタグでまとめらている論文を見てみましょう。これらはエディターが推薦している論文なので、スコープに合っている論文の例として役に立ちます。
例えば、推奨する論文にはスペクトルばかり記載されている一方で、自分の結果は写真ばかりだと、自分の論文が論文誌にフィットしていないなと確認できるわけです。
たとえ自分の結果と、論文誌のスコープが完全に一致していなくても、カバーレターで一致しているとアピールできます。
カバーレターの文章の中で、エディタに対して自分の論文がスコープと合っていると率直に書くのもいいと思います
合っていることは長々というのではなくて、一言でいいと思いますよ。
論文のカバーレターの書き方: Nature, Science, Cellへの道
ハイインパクトの論文の場合は、自分の原稿とスコープが合っているかを判断するのが難しくなります。
例えば[nature communicationsのサイト]を見てみましょう。
すると...「high-quality」や「important advances」といった論文の質に関するキーワードが出てきます。このため先ほど例にあげたultramicroscopyの例とは異なって、自分の原稿がスコープに合っているか直ちに判別できません。
高いインパクトの論文誌に出すには、論文誌の内容が自分の結果に合うだけでなく、自分の原稿にちゃんとインパクトをつけないといけません。
参考までの「インパクト」の作り方を書きました。気になる場合は、この過去の記事を参考にして下さい。
Nature論文を書くために必須,「インパクト」の作り方!
どんなに素晴らしい論文であっても、スコープに合っていなければ採択されることはありません。
論文誌を決めるとき、必ず「スコープ」を確認して下さい。
検索すれば、webサイトで確認できます。まず(1)内容が部分に合っているか見ましょう。そして(2)エディタが推奨する論文も見ましょう。
自分の結果と、論文誌のスコープが合っていると思ったら投稿しましょう。
トップジャーナルの場合、研究の内容が合っているだけでなく、ちゃんと「インパクト」が作れているのかも確認する必要があります。
ではこれからもいい論文を書いていきましょう。私は一生懸命、あなたの研究を応援しています。
・Nature論文を書きたいですか? 論文の書き方の技術を網羅的に紹介しました。もしファーストクラスの論文誌に挑戦するなら、この記事を見て下さい。
論文の書き方: Nature, Science, Cellへの道
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]