査読における最後の関門、マイナーリビジョンについて知りたいですか?
メジャーリビジョンと何が違うのか、何を提出しなくてはいけないのか、どれくらいの期間がかかるのか紹介しました。
これから論文を書く人、高インパクトファクターの論文にチャレンジしたい人、必読です。
ちなみにエディターキックやメジャーリビジョン等、査読の全ての工程を知りたい方、この記事を見て下さい。
論文が掲載されるまでに何をするか?
マイナーリビジョンは、論文が採択される課程の1つでメジャーリビジョンを合格した後に来る課程です。
メジャーリビジョンを合格したため、原稿で主張している内容はレビューワから賛成されています。
マイナーリビジョンとは、論文の主張は認められたものの、ミスがあるのでそのミスを修正しなくてはいけない状態のことです。
レビューワから質問が来ているはずです。これをリプライコメントと呼びます。
次にやることは、(1)リプライコメントの質問に全て応えた書類を作成し、(2)それに伴って原稿の内容を修正します。
リプライコメントに全て応えた書類をリブッタルレターと言います。この書類を作成するにはたくさんのルールがあります。良いリブッタルレターを書きたい方、この記事を見て下さい。
論文のリバッタルレターの書き方: Nature,Science,Cellへの道
基本的にはマイナーリビジョンは何度も繰り返しません。1度で終わりです。
マイナーリビジョンの次は、エディターがほぼ完成版に近い書類を完成させます。この書類をpre-proofと言います。
著者がやることはpre-proofを受け取って「これでいいですか?」と聞かれるので「これでいいです」というだけです。
何日かは論文誌や論文によって違うので、正確な数字は言えません。
ただここでは例として、私が典型的だと思っている私の2つの論文(Nature communicationsとSensir and actuator IFは3.5くらい)の日数をお見せします。
1つは典型的なよくある論文と、もう1つはトップジャーナルです。Sensor and actuatorはマイナーリビジョンを返答してからpre-proofが来るまでは4日でした。一方、Nature Communicationsはマイナーリビジョンを返答してからpre-proofが来るまでは30日でした。
もし日数の違いの詳細を知りたい方、この記事を見て下さい。
Nature論文とそうでない論文、採択まで何が違う?
基本的にはこのタイミングでリジェクトされません。
しかし極めて稀ですが、マイナーリビジョンを通過した後にリジェクトされた例を1件だけ聞きました。
その原稿はNature Materialsでメジャーリビジョンを通過して、マイナーリビジョンに到達しました。しかしこの論文誌のページ数が限られていて、他にも採択された原稿と比較した結果、掲載をやめることにしたと通告されていました。非常に不運だと思います。ページ数が限られている場合、もしかしたらこのタイミングでリジェクトされる可能性があるということです。
マイナーリビジョンとは、メジャーリビジョンを合格した後に来る課程で、論文の主張がレビューワから認められたものの、誤字脱字や図の見づらさなど修正すべき点がまだ残っている状態のことです。
次にすることは、リブッタルレターと修正した原稿を提出です。とはいえリブッタルレターには厳しい質問は含まれておらず、指摘された点に同意するだけなはずです。
提出した後は、エディターがほぼ完成版に近い書類(pre-proof)を完成させます。著者はこのpre-proofを受け取って承認するだけです。
マイナーリビジョンの後にリジェクトされることはまずありえません。ただ論文誌のページ数の関係から掲載されなかった例を聞いたことがあるので、マイナーリビジョンにいったからといって油断しないで下さい。
これからもいい論文を書いていきましょう。
・Nature論文を書きたいですか? 論文の書き方の技術を網羅的に紹介しました。もしファーストクラスの論文誌に挑戦するなら、この記事を見て下さい。
論文の書き方: Nature, Science, Cellへの道
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]