論文を投稿したときの2つ目の関門である、メジャーリビジョンについて知りたいですか?
何に気をつければいいのか、何を提出すればいいのかを、紹介しました。
(1)初めて論文を出す人、(2)高インパクトの論文誌に投稿する人、必読です。
ちなみに、1つ目の関門であるエディターキックについては、こちらの記事です。
最初の関門、エディターキックとは何か?
論文の投稿してから採択されるまでの間で、一番作業量が多いのはメジャーリビジョンに対する回答です。
メジャーリビジョンとは、自分の投稿した原稿がレビューワから査読されて、修正の依頼が来た状態のことです。
メジャーリビジョンは、この後のマイナーリビジョンとは異なり、「論文の主張が正しいのか?」という論文の根本的な妥当性を疑う質問を含んでいます。つまり、レビューワはまだこの論文の主張に賛成しきれていない状態です。
レビューワから質問が来ているはずです。これをリプライコメントと呼びます。
次にやることは、(1)リプライコメントの質問に全て応えた書類を作成し、(2)それに伴って原稿の内容を修正します。
リプライコメントに全て応えた書類をリバッタルレターと言います。この書類を作成するにはたくさんのルールがあるので、もし高インパクト論文のリバッタルレターの書き方を知りたいなら、この記事を見て下さい。
論文のリバッタルレターの書き方: Nature,Science,Cellへの道
まだレビューワは原稿の主張に納得していないので、リバッタルレターを全力で書きましょう。
3択です。(1)リジェクトされる。(2)もう一度メジャーリビジョン、(3)マイナーリビジョンです。
(1)リジェクトされる: リブッタルレターで質問に回答できておらず、今後やりとりしても改善されることはないなと判断されたということです。
要は、「ダメだな今後も望みなしだからもういいや」です。リジェクトされるともう終了です。原稿が掲載されることはありません。
(2)もう一度メジャーリビジョン: 質問に対して回答は来たものの、レビューワはまだ著者達のに主張に納得できない状態です。
再度、論文の主張に疑問を投げかける質問が飛んできているので、もう一度リバッタルレターを通じて原稿の主張が正しいと説得しましょう。
(3)マイナーリビジョン: レビューワたちは著者の主張に納得しました。言い方の修正や、スペルミスの修正、図の見やすさの修正など、出版するにはまだ未完成な部分はあるけどレビュワーは採択に賛成しています。
何日かは論文誌や論文によって違うので、正確な数字は言えません。
ただここでは例として、私が典型的だと思っている私の2つの論文(Sensor and actuator IFは3.5くらいと、Nature COmmunications)の日数をお見せします。
1つは典型的なよくある論文と、もう1つはトップジャーナルです。
Sensor and actuatorは投稿してから53日でリプライコメントが来て、1日でリバッタルレターと原稿の修正し、マイナーリビジョンに行きました。
一方、Nature Communicationsは投稿してから44日でリプライコメントが来て、62日でリバッタルレターと原稿の修正してマイナーリビジョンに行きました。
私はどの論文誌も返答を受ける日数は大体同じだと思っています。もし日数の違いの詳細を知りたい方、この記事を見て下さい。
Nature論文とそうでない論文、採択まで何が違う?
具体的な確率は分かりません。
論文誌は公開していないので、知る方法がないからです。
私の身の回りを見ると、Nature, Scienceのようなトップジャーナルだと80%がメジャーリビジョンで脱落しています。私の身の回りの経験則だと、エディターキックで80%がリジェクト、メジャーリビジョンで80%がリジェクトだと思っています。
これは私の経験則なのですが、Natureは採択率を公開していて6%だそうです。このためエディターキックで80%がリジェクト、メジャーリビジョンで80%がリジェクトという経験則は結構当たってるんじゃないかなと思っています。
メジャーリビジョンの合格率は公開されていないのですが、原稿の採択率なら公開している論文誌はあります。気になる方、この記事を見て下さい。
論文の採択率を知りたい
メジャーリビジョンとは、自分の投稿した原稿がレビューワから査読されて、修正の依頼が来ている状態のことです。「論文の主張が正しいのか?」という論文の根本的な妥当性を疑う質問を含んでいます。
次にすることは、リブッタルレターと修正した原稿を提出です。良いレブッタルレターを書ければマイナーリビジョンに行けるでしょう。
提出した後は、リジェクトされるか、もう一度メジャーリビジョンか、マイナーリビジョンになります。
トップジャーナルだと80%がここで脱落すると思っています。リブッタルレターで自分の原稿の主張が妥当であるとちゃんと説得する必要があります。
ではこれからもいい論文を書いていきましょう。私はあなたを全力で応援します。
・幸運にもメジャーリビジョンを通過したら、最後の関門はマイナーリビジョンです。ここまで来ればほぼ採択です。とはいえ、油断は禁物なのでマイナーリビジョンについて気になるなら、この記事を見て下さい。
査読での最後の関門、マイナーリビジョンとは何か
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]