そこそこの結果を論文として掲載させるには、実は高インパクトの論文誌に掲載させる知識が必要です。
単に手を抜いただけだと、リジェクト(不採択)されます。
では、どの部分はまるでトップジャーナルのように頑張るべきか、そしてどこで手を抜けば時短できるか解説しました。
とにかく論文数を稼ぎたい方、必読です。
まず、高インパクトファクターの論文の書き方を知る必要があります。以下のどれかでざっと勉強しておいてもらいたいです。
論文数を稼ぐために時短するテクニックの話は。トップジャーナルの書き方が分かっていることを前提に話します。
なぜなら手を抜かずに書く方法を知らない人に、手の抜き方と教えられないからです。以下の記事から高インパクト論文の書き方をざっと勉強して下さい。
(1)この記事を読む
論文の書き方: Nature, Science, Cellへの道
(2)「投稿した原稿に解説をつけて、このwebサイトで書かれた解説された内容が、どのように論文執筆に反映されたか分かるテンプレート」を見る。
Go to 解説付きテンプレートの記事
(3)「webサイトで書かれている要点を1本道にギュッとまとめたスライド」を見る。webサイトの内容をPCにデータとして保存したい方や、webサイトを読む時間を省略したい方にオススメ。
Go to 解説付きスライドの記事
(論文数を稼ぐためのどんどん書ける論文) = (高インパクトファクター論文誌のための論文) - (インパクト"科学的な驚き"")です。
では、論文のどこで "インパクト" が出てくるか、どうやって書かないでやり過ごすか説明し、高インパクト論文の "型" を使って時短して論文を書く方法を紹介します。
論文で「インパクト(科学的な驚き)」を書くのをやめれば、最も時間と労力をかかる作業を省略して論文を書けます。
「高インパクトファクターの論文のフォーマットに沿って書き、さらに新規性と独創性を維持しながら "インパクト" を省略する」これが論文を短時間で書くトリックです。
ただ、どのような論文でも新規性と独創性は必要です。「インパクト」と「新規性と独創性」の違いに関する、詳しい説明はこの記事を見て下さい。
Nature論文を書くために必須,「インパクト」の作り方!
本当に簡単に書けます。私は1,2週間くらい実験をして、その内容を書いた論文が2本だけあります。科学的な発見は全くありませんが、単に論文数を増やすためだけに役立ちました。
トップジャーナルの型に沿って書くことで時短で論文を書こうとすると、インパクトを書かなくてはいけない箇所があります。タイトル、アブスト、イントロ、結論、カバーレターの5箇所です。この5箇所で、どうやって自然にインパクトを書かずにやり過ごすか解説しました。
高インパクトの論文のタイトルは、何をやったかを書くのではなく、「何が発見したか」を書くべきです。しかし、時短で論文を書くには、科学的な発見に関する言及を避け「何をしたのか」をタイトルに書きます。
そのとき重要なのは、自分の結果の「新規性と独創性」をタイトルのできるだけ最初の単語にすることです。
なぜかというと、過去に記事で書いたのですが、低インパクトの論文では何が科学的な発見なのかより、何が新しいのかの議論になりがちだからです。
過去の記事: カンタンな論文誌にいくら論文を書いても成長しない理由
これらを踏まえ、タイトルで注意すべき点は、以下の4つです。
(1)「何をしたのか」を書き、できるだけタイトルの前の方に自分の新規性・独創性を表す単語を書く。
(2) On the study ofや、The investigation intoや、The effect ofや、The developemnt ofといった、具体的に意味を成さない一般的な言葉をタイトルに入れない。
(3) 他の似た研究と何が違うのか分かるようにする。
(4) 15words以内にする。
を意識して下さい。簡単です。
高インパクト論文のアブストの書き方は、Natureがアブストの書き方を提示しており、トップジャーナルではアブストは以下の7点を順に書きます。詳細はこの記事を見て下さい。
Nature式のアブストラクトの書き方: Nature, Science, Cellへの道
(1) 1~2文で、基本的な紹介を、全ての分野の科学者が理解できるように記載する。
(2) 2~3文で、研究のより詳細な背景を、関連分野の科学者が理解できるように記載する。
(3) 1文で、この論文の研究が対象としている 一般的な問題を明確に述べる。
(4) here we showといった率直な表現の1文で、主要な結果を要約する。
(5) 2~3文で、今回明らかになった主要な結果を、 従来はどのように考えられていたかということと 直接比較しながら説明する。
(6) 1~2文で、 結果が何を意味するのかより一般的に言う。
(7) 2 ~ 3 文で、全ての分野の科学者が容易に理解できるような、より広範な展望を記載する (アブストラクトにこうした展望が含まれることで、その論文の影響力が大きく増すと判断する場合)。
インパクトを書かずにこれら(1)-(7)のテンプレ通りにアブストを完成させればいいのです。
つまり、論文数を稼ぐための論文では、(5)の文をできるだけ少なくし、(6)をなくして、(7)は必ず書く、です。しかも(4)か(5)で自分の新規性と独創性を明確にする内容を入れましょう。
こうすれば、インパクト(科学的な発見)を書く必要はなくなり、新規性と独自性という論文としての最低限の条件を満たしながら、読者に期待感を煽る内容を書けます。
タイトル、アブストだけでなく、イントロでもインパクトを書くタイミングがあります。トップジャーナルではイントロは以下の4点を順に書きます。イントロの書き方の詳細は、この記事を見て下さい。
論文のイントロダクションの書き方:Nature, Science, Cellへの道
(1)研究分野を滑らかに絞る
(2)書き始めの内容の修正末う
(3)具体的な問題点を提示する
(4)何をしたのか簡潔に書く
(1)-(3)はトップジャーナルと同じです。論文数を稼ぐための論文を書くため、高インパクト論文の型から異なる点ポイントは(4)です。
(4)では、まず何をしたのか書きます。Here, we…もしくは In this study, we…と書くといいです。
トップジャーナルでは次に、何を発見したかを率直に言います。具体的には、We found that.....と書きます。しかし、論文数を稼ぐための論文では、このWe foundの文章を書きません (というより科学的な発見がないため、特に書くことがないのです)。
最後に、その結果が何を意味するのか書きます。具体的には、The result shows.....と書きます。この部分を頑張って書きます。発見したことがなくても、結果が期待感や可能性を示唆していることを主張しましょう
以上のように、トップジャーナルと同じ型でイントロを書き、最も時間がかかるインパクトの部分を書かないで、その代わりに新規性と独創性を書くことで時短で論文を書きます。
トップジャーナルでは結論は以下の6点を順に書きます。もし結論の書き方をもっと知りたいなら、この記事を見て下さい。
論文の結論の書き方:Nature, Science, Cellへの道
(1) この研究で何をしたのか
(やったことを2-4文で説明する)
(2) どんな傾向を得たか
(結果の特徴を端的に紹介)
(3) その傾向が, 過去の研究結果と比べて何が違うか?
(できれば定量的に違いを説明する)
(4) その違いが, 研究成果の流れを俯瞰的に見たときいに, どれだけ驚きなのか?
(個々の違いを見るのではなく複数の研究結果の流れを見て、自分の結果がどの流れに属しているか、どの流れを否定するかなど、より俯瞰的に見たときの今回の結果の意味を客観的に説明する)
(5) 今後どんなことが起こりそうか?
(この結果を知らないと将来どんなことが起きそうか紹介する)
(6) 今後どんな研究が必要か
(1文くらいで書く)
論文数を稼ぐための論文では今までと同様、「何を発見したのか」の記述を削り、その代わりに新規性と独創性を強調することで、論文として成立していることを主張するわけです。つまり、(3)で新規性と独創性があるのを主張し、(4)はほとんど書架ないようにすることで、最も時間がかかるインパクトの部分を書かないで、その代わりに新規性と独創性を書くことで時短で論文を書くわけです。。
最後に、カバーレターでもインパクトを書かなくてはいけない場面があります。カバーレターの書き方を勉強したい方は、この記事を見て下さい。
カバーレターの書き方:Nature, Science, Cellへの道
トップジャーナルではカバーレターは以下の5点を順に書きます。
(1)原稿と一緒に何を提出したのか
(2)原稿には どんな魅力があるか
(3)査読者として相応しいと思う人のリスト
(4)査読者として相応しくない人のリスト
(5)共著者の情報
トップジャーナルと、論文数を稼ぐために書く論文、(1),(3),(4),(5)は同じ内容です。しかし(2)の部分が大きく違います。
(2)について、トップジャーナルでは1つ目のパラグラフでは、「何を発見したか」を書きます。一方で論文数を稼ぎたいなら「何をしたのか」と「何が独創的なのか」書きます。何の現象を見たのか。どんな問題を解決したのか説明します。Here we show ...やIn this study...から書き始め、自分の成果を率直に言いましょう。
2つ目のパラグラフでは、「何でこれが重要なのか」書きます。数あるトピックスの中からどうしてこの内容にフォーカスする必要があるか言います。
3つ目のパラグラフでは、「何でこのジャーナルにふさわしいか」書きます。フォーカスがこれに合っていることを説明します。
(2)では、以上の内容を0.5ページくらいで手短に書きます。とても簡単です。
新規制と独創性がないから、まだ論文は書けそうにないと思わないでください。新規性と独創性は作れます。自分の結果と、過去の結果を比較して差があれば、新規性と独創性があると言えます。
自分の結果が過去の結果と全く同じと言うことはないはずです。同じ実験でも、環境が違ったり、何かが違うはずです。
なんとか違いを見つけるのです。そうすれば新規性と独創性は作れます。
過去の結果と比較して、とにかく差を作ればいいのです。どんな結果でも新規性と独創性は作れるはずです。
新規性と独創性を作れば、あとは型に沿って自分の結果を書けば時短で論文は完成します。
時短で論文を書くのは、単に手を抜くだけではダメです。それではリジェクトされてしまいます。ではどんな工夫ができるか解説しました。
高インパクトファクターの論文の書き方から学べる「論文の型」に沿って書きながら、「インパクト(科学的な発見)」を書かず、代わりに「新規性と独創性」を強調することで、時間がかかる部分を省略しながら型に沿って時短で書く方法を説明しました。
科学的発見を書かなくてはいけない部分として、タイトル、アブスト、イントロ、結論、カバーレターがあって、それぞれの部分でインパクトを書かなくても型から外れないように書く方法を具体的に説明しました。
自分は論文が書けない、自分には才能がない、自分には能力がない、と思ってませんか?私は本気で悩んでいたり、劣等感を持っている研究者を見ると「え!?ただ教わってないだけじゃないの?」「それは勉強すれば1週間で克服できるよ」と言いたくなります。私は教えたい。困っている研究者を助けたい。webページにトップジャーナルの書き方を網羅的に解説しました。ぜひwebページの他の記事も読んでもらいたいです。私の皆さんを助けになりたいという情熱をすぐに分かって頂けると確信しています。
・Nature Communicationsに採択された原稿に、解説を付けたテンプレートを作りました。Webサイトの解説した内容が実際にどう論文に反映されたか実例を見ながら理解できます。研究者として上を目指したい方、ぜひ参考に。
論文の解説付きテンプレート、なぜ重要なのか?
・論文の書き方は教わりましたか? このWebサイトに書いてある高インパクト論文の書き方をスライドにして1つにまとめました。論文の "型" を自習する教材として最適です。ぜひ参考に。
高インパクト論文の書き方をどう自習するか? [結論:この解説付きスライドを読もう]